No.3 存在を知らなかったの遺産が判明した事例
<事案>
相談者は相続人の子供4人のうち、X1さん、X2さん、X3さんの3人(以下「Xさん達」といいます。)です。
相談者の母親であるAがお亡くなりになり、Aさんと同居していた4人兄弟の1人であるYさん(相手方)と遺産分割の話し合いをすることが必要になりました。Aさんの遺産としては、自宅の土地建物と預金があります。これらの権利証や通帳などは全てYさんが保管しており、A・B・CさんはYさんに対して遺産分割協議を申し入れました。ところが、Yさんは弁護士を立てるようになり、「弁護士と話をして欲しい。」の一点張りで、協議がなされることはありませんでした。
そうした状態が1年間も続いたことから、困り果てたXさん達は、当事務所に相談に来られました。
<解決への流れ>
ご依頼を受けた時点では、Aさんの遺産が明らかになっていなかったことから、まずはAさんの遺産を調査しました。
その結果、Aさんのご主人ですでにお亡くなりになっているBさんの遺産(預金)が手つかずの状態で残ってしまっていることが判明し、こちらの相続手続きも合わせて進める必要が生じました。
そこで、調停を申し立てることにしました。
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調停を進めていく中で、Xさん達が受取人になっている生命保険が存在しており、その証書をYさんが所持していることが判明しました。そこで、その受取手続きをしました。
また、預金の調査をすると、Aさん・Bさんの死亡前後に、使途が不明な出金の存在が判明。その使途を追及しました。
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その結果、不動産はYさんが取得し、Xさん達はその代償金を得ることになりました。
また、預金は法定相続分にしたがって分割するという内容で調停が成立しました。
<解決のポイント>
遺産分割事件においては、お互い共有してきた時間が長ければ長いほど確執が深刻なことが多いように感じます。当事者の関係を必要以上に悪化させないためにも、何らかの形で専門家が介入することは、費用は確かにかかりますが、十分に意義があることに思います。
また、当事者だけで遺産分割協議を進めていると、当事者が認識していない遺産が発見できない可能性があります。のちのち発見されると、いらぬ紛争を呼び起こしてしまう可能性もあります。
また、相続人の1人が相続発生前後に遺産を使い込むということがままあります。使い込みの有無や内容の調査方法は様々ありますが、専門家でないと出来ない方法もあり、こちらを利用するという意味でも、専門家の介入は有用です。
このように、遺産分割において、不安がある方、問題を抱えておられる方は、一度専門家に相談いただくと、不要な争いを回避することができるかもしれません。
当事務所で無事解決できました事例の一部をご紹介させていただきます。